柿自身が持つ天然酵母から自然の発酵力を引き出し、時間をかけた発酵により柿の豊かな栄養成分をお酢の中にじっくりと抽出します。そのため、その年に収穫される柿の特徴により、出来上がる柿酢もワインやブランデーなどと同じく、年ごとの個性を持つ自然の味と香り、酸味をお楽しみいただけます。年の違いは、私たち人間も自然環境に対応してゆくことと同じく、大自然の中で実を結んだ柿の“その年の味”として仕上がります。わたしたちは自然の中で生きる人間として、大地の力や自然の営みに素直に向き合い、健康で美味しい食生活への思いを込めて、丁寧に育てた柿酢を皆様にお届けしております。
製法のこだわり
ハリヨの柿酢は昔ながらのお酢の醸造方法である「静置発酵」で作られています。柿を自然酵母で発酵させた、もろみ液、その表面の空気の触れる部分だけに酢酸膜を張らせ、膜の下で自然対流させながら静かにお酢に変化させていく時間のかかる方法です。この自然が作り出す変化を作り手は日々慎重に見守りながら、焦らず根気よく育てています。
ハリヨの柿酢のふるさと「海津」
ハリヨの柿酢は、岐阜県の西南端に位置する海津市で雄大な自然に囲まれた里山で生まれました。木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)が流れる濃尾平野。そして、西にそびえる養老山地からこの濃尾平野に向かい広大な扇状地が広がっています。原料となる柿は、この水はけのよい扇状地で育てられるため甘さが凝縮し他の産地にはない高糖度の柿になります。この土地が生み出す糖度の高さがお酢への発酵力の強さの源となっています。
ブランド名「ハリヨ-HALIYO-」について
わたしたちのブランド名は、醸造所のある海津に生息する天然記念物で絶滅危惧種の淡水魚「ハリヨ」に由来します。ハリヨは、養老山地に降った雨水が扇状地を通り伏流水となって、ぷくぷくと水の湧き出す長閑で美しい自然広がるこの地に元気に生きています。年間を通して一定の水温を保つ湧き水のような清水地でしか生きられないため、全国でその数はどんどん減り、現在は岐阜県南西部の限られた場所でしか見られなくなりました。わたしたちは、この地の美しい自然と水の象徴でもあり、絶滅の危機にあるハリヨの生息地を適切に保全することを、この土地の方々と共に見守っております。ブランド名としてハリヨの名前をお借りしながら、この事業を通じてこの地域環境を後世に引き継ぎ、美しい水と自然を守る活動に貢献できればと考えております。